れんげ米とは
目次
「れんげ米」とは稲の栽培方法の一つで、有機肥料として、れんげそう(マメ科)という植物の全てを使い、稲の成長の栄養素として育てたお米のことです。
以下に稲の肥料のことや、れんげのこと、作業風景を紹介しています。
目次
1)稲の肥料
2)れんげそうの有機肥料
3)作業風景
1)稲の肥料
植物の基本的な肥料3要素として、「窒素(ちっそ)、リン酸、カリ」があります。
稲の場合も、この3要素が大事ですが、ほかにケイ素という成分も多く摂取します。
●窒素(ちっそ)
- 肥料の3要素の中でも最も重要な成分です。
- 根から吸収された、窒素はタンパク質、核酸、酵素類とともに葉緑素の合成に使われます。
●リン酸
- 光合成や呼吸に必要な成分で、植物の代謝調整にも多く関わっています。
●カリ(カリウム)
- 稲の細胞の水分調節、光合成、タンパク質合成に関わっています。
●ケイ素
- 根から吸収されたケイ素は、稲の葉やもみの表皮に蓄積され、ケイ化細胞を形成します。
- ケイ素を十分に蓄積された稲は、葉を直立させ、太陽の光を十分に受けることができ、光合成が促進されます
- また病害虫の侵入を防ぐ役割も果たす、大事な成分です。
主な肥料の紹介は以上ですが、実際に田んぼではどのように肥料をほどこすのでしょうか。
実際に、ざまさんちで田んぼで使用している肥料は化成肥料がメインに、稲わらや「れんげ」の有機肥料を合わせて使っています。
れんげは昨年の稲刈りの時に種まきを行い、冬から春にかけて成長させ、花が終わりを迎える5月初旬に、草刈機を用いて粉砕し田おこしで土と混ぜ合わせます。
2)れんげの有機肥料
れんげそう(蓮華草)はマメ科ゲンゲ属の一年草
れんげそうには特殊な能力があります。自分の体の中に窒素を多く含むことができる植物なのです。
れんげそうの根っこの部分に「根粒菌(こんりゅうきん)」という細菌がいて、根粒菌から養分をもらっています。根粒菌には、窒素を植物の中に蓄える役割のある有用な細菌なのです。
この特殊な性質を利用し、れんげそうに蓄えられた窒素分を緑肥として稲の肥料になります。
前年の稲刈りの時期に種まきを行い、冬から春にかけて成長させます。
4月になり花を咲かせ、花が終わりを迎える5月初旬に、草刈機を用いて粉砕し、田おこしで土と混ぜ合わせます。
土と混ざったれんげそうは腐葉土となり窒素を放出し肥料となります。
ところで、れんげそうを育てて花を咲かせているのに、なぜ毎年れんげのタネを蒔くか疑問に思うことでしょう。
れんげを緑肥として使う場合には、花を咲かせた後、すぐに緑肥として利用してしますのでタネができないのです。
タネが熟してから緑肥とすれば、毎年同じところでれんげが育つのでしょうが、田植えの時期も決まっているため、タネができる前に緑肥にしてしまうからなのです。
3)作業風景
作業風景を紹介します。
れんげの種まき。
前年の稲刈りの時の様子です。
稲刈りの前の田んぼに入り、タネを手で撒いていきます。
3月の田んぼ
9月の種まきから、れんげの芽がでるのは11月頃。
それから寒さえ耐えたれんげは、暖かくなり始める3月頃から、一気に成長を始めます。
4月の田んぼ
一斉に花を咲かせたれんげ。
子供の頃に、れんげを摘み取り、編んで、頭飾りを作った方もいるでしょう。
5月初旬、草刈機を使いれんげを粉砕します。
この粉砕作業で、れんげそうが細かくなり、田んぼの土にすき込みやすくなります。
トラクターでの田おこし、すき込み作業。
粉砕されたれんげが土と混ざり、腐葉土となります。